2006年 8月19日
エビス スーパー耐久 第2戦
12時間
今回は我々にとって 耐久1年制覇がなるかどうかの掛かった
天下分け目の戦いであった。
今まで毎回 競技の後に そして 直前に降りかかるトラブル。
それらをほぼ全て解決したはずであった。
もう 問題はありえない。 在ってはならない!
ただ 走りきるのみ!
しかし
勝利の女神は 我々に微笑まなかった。
いや 競技開始後2時間までは 微笑んでいた。
その 忌まわしい事件の後9時間も 我々にとって 女神は微笑んでいた。
ただ・・・ その一瞬・・・ 神は我々に微笑まなかった。
その一瞬が 全ての輝きを失うに十分な試練を我々に与えた・・・・・。
しかし そんな最悪な状態においても 我々は勝負を諦めなかった。
そのレースに走る価値があるのであれば
我々は勝を追い求めなくてはならない!
一度は諦めた男たちが
再び 勝を求めて走り始めた・・・・・。
そんな 諦めない男たちの物語が 此処にあった。
2006年 8月19日
今年3回目のエビススーパー耐久レースが開催された。
参加メンバーは (あいうえお順)
うっちぃ〜 どんなマシンでも乗りこなすベテランドライバー。
甲斐 「改魔神」改め「甲斐」まぁ 名前が重たいからの改名って事で…。
かむべ 本職がレーサーなのかメカニックなのか? え どっちも趣味らしい。
ま〜さ22 いぶし銀 伝説のドライバー。
ぬまっち ここ最近 タイムアタックから耐久に移行しつつある 走り屋。
のぶりん 今回のマシン 「のぶりンテグラR」のオーナー。
よっすぃ〜 一番若い! ガソリンがなくなるまで 問題なく走り続けられる。
いずれも 筑波サーキットで行われているタイムアタックや
その他 大会の常連で 入賞経験豊富なレーシングドライバーである。
今回も 忘れてはいけないのが 総監督を勤める あ〜ちゃん。
未来の エースドライバーである!
今回は
前日にAZRTeamClarionの主催する走行会が 筑波サーキットコース1000で開催されたため
TC1000で メンテナンスを受ける インテ。
シェイクダウンは筑波で行った上で
エビスまで移動すると言う 半ば強行軍の日程が採用された。
19日午前6時。
前夜半からピットに待機していたメンバーが目を覚ます。
甲斐は夜中の内に ピット脇から競技車輌に赤外線信号を送るための送信機に電力を供給する
配電設備を設置していた。
真っ暗なとこで作業したんだけど 明るくなってから見ると・・・
「なかなか綺麗に作業できてんぢゃん!!」とは 甲斐。
ところが インテグラがまだ来ない。
総監督を環境の悪いパドックで夜明かしさせるわけには行かず
総監督とそのマネージャーは 岳温泉に宿を取っているのだが
まだ 宿から総監督が来ない!
総監督の専用車輌である ハイパーインテRがまだ来ない!
あせるピットクルー。
最後の作業予定が確認され 車無しで出来る部分が準備される。
マシンさえ来れば 即 作業可能な状況でスタンバイ!
まもなく 総監督とマネージャー 到着ぅ!
待ってましたとばかりに 一気に荷物が降ろされ
準備されていた機材が積み込まれる。
新しい クラリオンステッカーの貼り付け
今日は絶対にお世話になる エアインテーク。
毎回頼りの 電子機器。
毎回 プチトラブる・・・・・。
男の仕事場!
あわただしく 予選。
マシンに乗り込むかむべ。
ピットロードを滑るように・・・・・。
かむべがドライブ。
今までの問題が確実に対策されていることを確認する。
予選は最低限の周回数でピットイン。
最後の調整 メインテナンスに入る。
今回はとらぶんねぇよなぁ〜。
へっちゃらへっちゃら!
予選は3周。 即 メンテ。
コースイン グリッド整列。
24時間のようには時間に余裕が無い。
なかなかそろわず・・・・。
トルクチェク by うっちぃ〜。
やべやべ 加締めてないよ ここ・・ハンマー!
ウルトラマンシャツで 変身するかむべ。
後 5分で すたーとですよぉ〜〜〜〜〜!
ナースさんも キャンギャルで登場!!!!!?
今度も 一番に・・・ と オフィシャルさんと 談笑。
. ライバルのシルビア。 「なんか 速そうだぜ。」・・・と のぶりん。
おぉ〜っし がんばるぞぉ〜!
パイルダーオン!
9:15 予定から15分遅れて ローリングスタート 開始!
グリンフラッグ 競技開始!
. 軽快に飛ばす!
スターティングドライバーも かむべ。
4日前のFISCO K4-GP 1000キロ耐久レースで 4番ドライバーを務めたかむべ。
スタート9時間後に 丁度かむべの乗車中 Aコーナーでインから弾き飛ばされる形で
車輌転倒 コースオフ。
未だ少し 体にダメージは残るが 無理の無いレベルで エビスの1番ドライバーを駆って出る!
「いいじゃんいいじゃん!ブレーキいいよぉ〜!」無線で絶好調のかむべ。
今回も無線は絶好調!
.
「ラップコムがおかしい! ドリームラップ 30秒! 設定おかしいね?」と レポート。
今回は事前走行を行わずのため 動作確認が不十分だったのか?。
どこか いじっちゃったみたい・・・・・。
次回ピットインで設定を再確認するか?
ピットインの間で 確認が出来るのか?
設定の狂っているパラメータが発見できるのか?
マニュアルで設定内容を確認する甲斐。
今回のライバルは S14シルビアと ロードスター。
シルビアが手ごわい。
エンジンに明らかなトルク差が有る。
コーナーで引き離しても 上り坂で一気に詰められる。
しかし やはり 速い分だけ燃費が悪そう。
かむべが余裕で走っているのを脇目で見ながら 第1回目のピットイン。
ところが ピット作業が・・・・・ じっくり 作業を行うタイプと見た!
ピットインから5分たって まだ マシンが動かない。
.
もしや トラブル?とでも思えるほどのゆっくりさ。
走りで何とか付いていけば ピットワークで勝てるぞ!
パワーのシルビアに ひとつの弱点を見出し ちょっと安心。
しかし 油断は禁物。
ぬまっちが シルビアのピット作業を計りながら 12時間分の計算をしている。
ピットはこんな感じで出来上がり! う〜〜ん 居心地よさそう!
・・・と 2ヘアピンで 1台マシンがコースオフ!
自力でコースに戻れそうも無い!
このマシンの救済のタイミングでピットインだ!
確実に2時間で救済が入る!
そのときが かむべの入り時 ドライバーチェンジタイムだ!
. よぉ〜し ピット作業だ! ちょっと ピットインまで おやすみっす・・・ZZZZ
オフィシャルの動きを監視しつつ 2番ドライバーののぶりんが スタンバイを始める。
給油燃料が準備され のぶりん準備完了!
.さすが これだけガソリンがあると 火気厳禁! ピット作業の打ち合わせ!
いつでもピットインOK!
後は ペースカーの出動タイミングを計るだけ・・・・・!
ところが 此処で一瞬 勝利の女神の微笑が曇った!
グワッシャ!
いやな音と 腹部に響く振動!
ピットイン準備の手を止め コースを見ると・・・・・・・・・・・・・。
「おい 大丈夫かぁ〜!?」 応答が無く あせる甲斐。
見慣れたインテグラが ボンネット全開で 前が見えないまま ガードレールすれすれを疾走している!
コース中央では 大きく変形した2台のマシンが 複雑にスピンし絡み合いながら
部品を撒き散らし スライドしている。
いったい何が起こったのか!!
と さらに 後方からもう1台のマシンが!
コース上で絡む2台のマシンを避けたまでは良かったが
前方を移動するインテグラを避けきれず・・・・・
吸い込まれるように インテグラのテールに激突!
一瞬にして 全ての動きが止まった!
音も聞こえなくなった!
普通 ウイングは ラダーの根元からもげる。しかし・・・
ラダーの取り付けが完璧だと ラダーはしっかりとそこにとどまり ウイングとラダーの接合部が もげる。
軽いものであるにも関わらず もげるだけの衝撃!
乗っていたかむべの体も 何も無いでは済むまい・・・・・。
あ〜あ これじゃ 前見えないよぉ〜。 ガソリンタンク 孔開いてるな きっと・・・。
コース上にばらばらな方向を向いて停まる 4台のマシン。
やっとの事で停車できた後続車輌。
多重クラッシュだ!
フルコース レッドフラグ 競技中断!
関係者が現場に駆けつける。
かむべは大丈夫なのか! マシンの損害状況は!
インテグラのドアが開き かむべが降車する。
意外としっかりした足取りではあるが 若干ふらついていようか?
「大丈夫か!?」と言うぬまっちの問いかけに 大丈夫だ!と言うそぶりを見せながらも
ヘルメットを脱いで マシンの前に廻って 潰れたインテグラを見た瞬間・・
脱力感! 「あ゛ぁ〜 や゛っちゃったぁ〜」
しかし ハーネス 3インチにしててよかったねぇ〜
2インチだったら 今頃 鎖骨折ってたよ きっと・・・・・
いや〜 本当に F-1も エビスの耐久も
モータースポーツの名の下に 危険は平等なんだなぁ〜。
マシン 動かさないで!
確認しますから ドライバーさん ちょっと話 聞かせてください!
コースオフィシャルの事情聴取が行われる。
車輌の損害状況の確認。
コース上に漏れたオイルの線の動きの確認。
大まかな 事故の状況 車輌の動きが確認された。
車輌を片付けて頂いて結構です。
オフィシャルの指示で 関係チームの車輌回収が行われる。
スタート前 ピットから押し出すマシンは軽いんだが
こうなっちゃうと 嘘みたいにくそ重たい!
なんか 帰っちゃったほうが よさげですかね・・・?
う〜〜ん どうしようかぁ〜・・・。
「今日は もう片付けて帰ろうよ・・・。」
メンバーから こんな声が聞かれた。
.
帰るべきか 戦うべきか 大いに悩んだ。
今年の目標は24時間だったのに・・・・・。
目標は達成したのに 3連勝が我々に弾みをつけたのか?
頑張りすぎたのか?
此処が 潮の引き時か?
ちょっと冷静になってみようか?
しかし レースはそんなに甘いものではなかった。
勝ち逃げは許されないが クラッシュ逃げも 許されなかった。
パドックエリアでは F-1も クラッシュしていた?
そのレースに走る価値があるのであれば
我々は勝を追い求めなくてはならない!
ピットに戻ると そこには TカーのCRXがあった。
準備完了 出走いつでもOK状態である。
それでも 盛りの付いた男たちは 諦めない!