2006年 8月19日
エビス スーパー耐久 第2戦
12時間
その2 セカンドヒートの巻
それでも 盛りの付いた男たちは 諦めない!
此処で 事故の詳細を検証してみよう。
先行車輌が マシントラブルで急減速を強いられる。
そこは丁度 エビスサーキットきっての急な上り坂。
前方を走る先行車輌。少し後を2台の後続車輌@とAが
競り合うように坂を上り詰める。
思い切り視界が開けると そこには・・・・・。
とっくに前方を走行しているはずのマシンが目前に!
急制動! 緊急回避! いずれも間に合わず!
2台の車輌はもつれるように先行車輌に追突!
その後続車両Aが 我々のインテR。
先行車輌と 後続車輌@はもつれ合うようにスピンしてコース上を滑走。
インテRはこの2台にはじかれるようにフラグタワー直下を走行。
ボンネットが完全に開いているため 前方視界は無い。
インテRの速度が落ちたところ・・・。
さらに後続車輌Bが 最終コーナーを立ち上がり エビスの坂を一気に駆け上ってきた。
視界が開けた瞬間!
目前に広まる地獄絵図!
当然のことながら 回避不可能!制動不可能!
先行するインテグラと同じコースを採り
第一接触事故への追突は避けられたが インテグラの後方から
かなりの速度差を持って 追突!
4台のマシンが完全静止したのは ピットロードエンドを超えた辺り。
その後の後続車輌も 静止できたのは4台のマシンの数メートル手前。
もう一歩間違えれば 更に数台が巻き込まれるという大惨事に発展するところであった。
ほんの数秒の出来事であった。
「あ Tカーもあるねぇ〜。24時間でも使った奴だよね?
せっかく来たんだし まだ 一人しか走って無いでしょ?
だったら 皆 少しずつでも走っていったら? 走行会感覚で さ?」
説得力あるような 無いような オフィシャルさんのお言葉・・・・・。
「はしってこうかぁ〜?」
「行くしかないっかぁ〜。」
みんなの目が合った。
「よし 行こう!」
そうと決まれば話は早い。
ゼッケンを張り替えて 無線機を積み替える。
CRXは元々無線の配線は装着してあるので 無線機の移植だけで事が足りる。
ラップコムは 設定がおかしいから まずは積まずに 再確認!
ECUからの配線は出ているから いつでも接続はOK!
シートベルトは セッティング済! サスも実は昨日の内にセッティング済み。
後は 2番ドライバーののぶりんが乗り込んで コースインするだけ!
競技再開前の ドライバーズミーティング。
「後10分で第2ヒート スタートします!」
場内アナウンスに余裕で対応!
(24時間では 20分と言う時間 レース進行中に Tカーを仕上げた為 えらい大変だったが
今回は あらかじめ 色々なセッティングは出してあったし 競技中断中の作業だったから
比較的楽な作業であった・・・・。
とはいえ 工具とか 大物が積んであったはずなんだけど 誰が準備したんだろう?
空のはずのガソリンも しっかり口まで入っているし・・・・・???)
今回の多重クラッシュで約1時間の競技中断の後
12時から競技再開!
仕切りなおしの 1番ドライバーは のぶりんが勤める。
再スタート! ペースカーがコースイン!
又もや Tカー CRX 登場
のぶりんが走り出してから 約10分。
あせった声でのぶりんから連絡が入る。
「ロードスターがこけた!」
第2ヒート開始10分で又もや赤旗 競技中断か!?
セフティーカー コースイン!
しばらくの低速走行の後 競技再開!
のぶりん走行 約1時間
2番ドライバの準備も万全。
CRXの足回りはインテグラよりも固いから
腰痛もちののぶりんには これ以上は 後がつらいと思われる。
(だって バネ 20Kだもん!)
ライバルも 走る!
ピットインを指示! のぶりんがピットイン。
ペースカーが入っているので 少しは余裕がある。
今回のピットインのメニューは・・・
1 燃料補給。
2 ドライバーチェンジ。
3 ラップコムの設置。
(のぶりんの走行中に ラップコムは設定を確認し
入力ミスのあったパラメータは 修正済みになっている。)
4 前のタイヤの交換。
そして 13時 CRX第二ドライバ よっすぃ〜 コースイン。
「20〜23のペースで廻ってます。」と 無線連絡。
ラップコムは正しく動き始めたようだ。
しかし 毎度の事ながら 3速が渋い。
「EFで タイムアタックをしてて1年半持てばいいほうだ。」とは言われるが
そろそろ寿命か?
「3速のシンクロが怪しいから 充分注意して走って欲しい。
3速のシンクロを酷使しないで!」
このチームオーダーに答えようとすると 答はひとつ
3速オートマチック!←3速だけで走りきる走法である。
安定して走るよっすぃ〜。
ライバルのシルビアにラップでちょっと負けながら
3速だけの走法で 必死に喰らいつくCRX。
ライバルの燃費から来る ピットインタイミングと
ピット作業の手際のよさで 少しずつ ラップの差をつけていく。
お楽しみ 抽選会 うっちぃ〜が当てたのは・・・
緑茶 6本! 熱いときに もってこい!
約2時間後 また トラブル発生!?
コース上のレコードラインにオイルがまかれた!
このままでは また 大惨事が発生してしまうかも?
又もや セフティーカーがコースイン準備を開始した。
残り 約6時間。
今後の時間配分を考えると 今が交代時!
あつかったぁ〜 と よっすぃ〜。
三番手 甲斐の準備完了。 よっすぃ〜にピットインの指示が出される。
作業用のつなぎの他に 厚手と薄手の2着のレーシングスーツを用意していた甲斐。
暑さと 2時間続けて走ることを鑑みて 薄めのスーツを着用していた。
また いつも使わないのに 水分補給用に チューブつきのペットボトルを用意していた。
やはり 今回はとてつもなく 暑いのだ!
しかし 走り始めてしまった以上 走行会感覚では澄まなくなるのが 我々の悪いところ。
みんなの目は 釣りあがっている。
第二ヒートでも トップを走るんだ!
15時 甲斐がスタート。
しかしまだ コース上のオイル処理は続く。
セフティーカーに続く車列に加わって ひたすら 周回数を稼ぐ。
約20分後。
故障したマシンが回収され 競技再開!
グリーンフラグ!競技再開!
甲斐の3速固定のAT走法が始まった。
遅くて1分23秒 上手くすると 1分19秒。
. 調子よく走る 甲斐。
ライバルのシルビアには2時間で4〜5回抜かれたが ピットワークで 充分元は取った!!!?
「連絡入りました!ガス欠です! 次 入ります!」
車との連絡係 うっちぃ〜。
「ガス欠でたよぉ〜。」
「はいっておいでぇ〜!」
こんな会話で 甲斐から ま〜さ22にバトンタッチ!
ところが ここで問題発生!
ま〜さ22のヘッドセットと 車の無線が上手く繋がらない!
ドライバーチェンジのどさくさで 配線が断線したのか!!!!?
まぁ ちゃんとスペアのハーネスは持ってきてあるし
どうせ 皆で走ればいい走行会だから ハーネス交換は大した問題じゃないんだけど・・・
だけど 時間が掛かる!
そんな無駄な時間は使いたくない!
(走り出したときと みんな 目の色違うぢゃン!)
ガス欠の合図はこれ! トラブルの合図はこれ それから・・・・・の合図は・・・・・・。
(あぁ〜 勝手に決めてるし・・・・・。)
17時 ま〜さ22 スタート!
何の問題も無い!
ただただ 周回を稼ぐのみ。
たまに ヂェスチャ〜しながら ま〜さ22が走る。
まだまだ走れるよ! と ま〜さ22。
そろそろ ガス欠かな?
スタッフが ま〜さ22の様子を伺っていると 又もや ペースカー コースイン!
「いまだ 入って来い!
このタイミングでドライバーチェンジすれば ラップロスが少なく済む!
ライバルとの差が縮まる! いや もう うちらのほうが 数周上を走って居るのか?」
しかし なかなか入ろうとしないま〜さ22。
トラブルの解決まで 結構時間が掛かると踏んだま〜さ22。
周回ごとに 現場処理の様子を見極めて
極力 ピットのタイミングを遅らせて アンカードライバーの使えるガソリンを増やそうと言う考え!
そうとは知らないピットスタッフ。
毎周ごとに お互いに決め事の無いジェスチュアで意思の疎通を図ろうとするも
お互いに決め事の無い合図なだけに 意思が通じない。
.
. 次 はいるよぉ〜! と 手で合図!
これが最後と見定めた ま〜さ22 ピットイン!
ペースカーがピットインして 競技再開となるぎりぎりのタイミングで ラストドライバー うっちぃ〜にバトンタッチ!
. ぃやぁ〜 つれぇ〜 と 汗だくでマシンを降りた ま〜さ22。
無線は使えない。 とにかく このガソリンで 2時間走って来い!
絶対に 車を壊すな! 何が何でも こいつとゴールまで走れ!
後はゴールで!
こんな指示を受けて うっちぃ〜がコースイン。 19時の出来事だった。
も〜ぉ なんも無いよな・・・ うっちぃ〜で ゴールだよな!
後2時間 うっちぃ〜が走ってくれるか?どうか?
これだけが チーム全員の願いだった。
うっちぃ〜の報告
夕方の明るいときから走り始めて日が暮れての夜間走行は
数度経験があったので、
今回の夜間の受け持ちに対して抵抗は全く無かったんですが、
走り慣れたコースとはいえ日中の完熟走行もなく、
いきなり暗い中を走り出すと暗さに慣れるまでがすっごい恐怖でしたね。
ましてや乗りなれないTカーでしたし・・・
ナイター照明が路面を照らしているのはいえ、
満遍なく照らされているわけではないので、
走り慣れてるコースなのに
ラインが分からなくなってとまどっているときに、
ルームミラーに次から次へと追いついて来る車両のヘッドライトが写って
あたふたしちゃって、
同一クラスのライバル車を抜かさせちゃったり・・・
暗さとクルマに慣れるまでが大変だったけど、
慣れちゃったら楽しくて
ここ何戦か
ブレーキにトラブルが出ているときにしか乗っていなかったんですけど、
今回は車両がノートラブルだったので
気持ちにゆとりが持てたんでしょうね。
ただ、
車両オーナーから
「シンクロがいかれ気味なので3速ホールドで」
ってオーダーが出てたので、
後ろから迫ってきているライバル車に対して
コーナーで離しても二箇所の上り坂で追いつかれて、
挙句の果てには上り坂で抜かされて・・・
なんて悔しい思いもしましたけど・・・
走り始めから無線がダメになっていたので、
残り時間が分からない状態で
ガソリンのエンプティーランプが常時点灯になったときは超あせりました。
20時52分に
今更ながらって感じで
純正の時計が付いていることに気が付きましたが、
この時計狂ってないよな・・・と疑心暗鬼でした
ホームストレートに戻ってくるたびにコース脇に人が増えてたので、
もうすぐチェッカーなんだなって感じ取れました。
ゴールは21時のはずだが
車内の時計が21時を過ぎてもチェッカーが出ない・・・
もしかして時計が狂ってた?
ガソリン残量がヤバイので超あせりました。
「ガス欠でコース脇に止まったらみんなにぶっ飛ばされるだろうな・・・」
なんて考えながら今更ながら燃費走行にしたけど、
チェッカーまで持つのか内心ドキドキもので
ラップを重ねて「いい加減チェッカー振って!」って泣きそうになったとき
夜空に花火が上がって
「もしかして終了の花火?」
なんて思ってホームストレートに戻ったら
チェッカーが振られていた。
チェッカーフラグ!
「ガソリン足りた・・・」ってひと安心して
無意識にガッツポーズをしてました。
.
. 我 帰還せり! Tカー CRX! インテRの意思を 此処に貫徹!
ウイニングランを決めて ピットに戻ったら
宣言どうりに ぬまっちに抱きつかれました。
.
. 抱きつかれて戸惑う うっちぃ〜。
完全な優勝じゃなかったことが悔やまれますが
一応 第二ヒートもトップだったと言うことで
あまり深く考えずに 私も思いっきり抱き返しちゃいました。
性を超えた 感激の瞬間!?」
何とも言いがたい感動がありました!・・・・・・・?
2000年11月19日以来 ずっとライバルであり 仲間であった インテRとCRXだけの 記念写真。
多分 2台 こんなことを語り合ってるのだと思う。
あの時の筑波以来の関係だな・・・
しかし お互いに 肌の色 派手になったなぁ〜
俺は6年かかってこんなになっちゃったよ・・・笑
俺なんか 此処2年で一気にだぜ・・・笑
・・・・・・・・・・・・・・
なんか やばそうなんだよな 逆仏になりそうな・・・・・
お前 ずっとTカーで居てくれるか?
あんまり 気がのらないんだが・・・・ いいよ お前の意思 しっかり引き継ぐぜ・・・
一応 結果なんですが ・・・・・。
第一ヒート 多重クラッシュが発生するまで クラストップ!
第二ヒート 多重クラッシュ発生後 仕切りなおしでスタートしてから・・・・・ クラストップ!
なんだけど Tカー使用のペナルティー 20周。
そして クラッシュしたマシンを押して帰ったから 回収ペナルティー 10周。
合計30周の減算。 特に 最後の10周が痛かった・・・・・!
これさえなければ・・・・・って・・・・・。
えぇ〜い サーキットの公式発表は 公式発表。
うちらは 1ヒート 2ヒート 共に優勝!ッてことで 一日にして 2連勝!!!!!!・・・・・?
こんな 楽観的なことに しちゃっておこうかなぁ〜っ!?
しかしながら インテグラをどうしたものか?
ナンバー付きは 自走で来て戦う!
戦い終われば 自走で帰る!
いままで そうしてきたし 今回も自走で来た!
ナンバー付きのポリシー! 美学!・・・・?
しかし・・・・・。
・・・
と・・・言うことは・・・
そうだ! ドクター Kを呼ぼう!
今までの多くのレポートをお読みの方は お気づきであろう?
CRXや インテグラが参戦するときには 必ず見え隠れする 赤と緑のVマーク。
ホンダベルノ上尾 さん。
CRXで耐久に参戦し始めたときから
モータースポーツに深い理解と協力を頂いている ディーラーさんである。
4月の9時間耐久も 直前までいろいろお世話になった。
7月の24時間も ドラシャが折れた時も 我々で修理しながらも
最悪の場合の 出動要請スタンバイをお願いした・・・。
(まぁ 何とか 手持ちのシャフトの組み合わせででっち上げちゃったので
出動はキャンセルになったが・・・・・。)
今回も 前日に間に合うように部品手配をお願いしたり・・・。
今までも 冗談で 「クラッシュしたらお迎え宜しくね!」などとはお願いしていたんだが・・・。
今回 また まさかのお願いすることになってしまった・・・・・。
2003年の夏以来 3年ぶり。2回目の緊急出動。
(今回もまた 12時間か・・・・・。)
「え゛〜 まじっすかぁ〜 クラッシュですかぁ〜。
喜んでお迎えに上がりますけど・・・ 喜べないなぁ〜。
今やってる仕事 片付けてから 出発します! ローダーは押さえてありますから!」
毎回 お出迎えは乗り気じゃない と言いつつ 快く引き受けてくれる ドクターK。
22時を過ぎたあたり。
暗くなったサーキットのゲートに 閃光が走る!
ターボディーゼルローダー 登場!
「ぅあぁ〜 やっちゃいましたねぇ〜 乗ってた方 大丈夫だったんですか?」
この前まで手塩にかけてメンテナンスをしてきたインテグラの
変わり果てた姿に驚きを隠せない ドクターK。
積載も滞りなく終了し 帰還準備完了!
積載 完了! インテグラを見上げる 総監督。
一同 高速で 帰路に着くことに・・・・・。
かむべの車から ローダーに乗せられたインテグラを見て のぶりんが一言。
「ん〜 なんだかなぁ〜。」
レース中は CRXの荷物を降ろして 燃料を給油したり
クラッシュしたインテグラから機材を引き出し CRXに移植するとか
気が張っていたものの レースが終わって ローダーに乗せられた車を見ると
当然 感じる物がある・・・・・。
この リベンジは また何時か・・・。
インテグラのお葬式
サーキットから即日回収で 加須の「ホンダベルノ上尾」さんまで移動されたインテグラ。
DNAを 多くのマシンに捧げるべく・・・・更に 三郷の 「ガレージFK」さんに移動された。
そして 9月3日 DNA伝承の儀式が行われた。
(一般には 部品取り とも言われる。)
ただ 部品取りと異なるところは その一番最後にあった。
競技車輌として その命を全うしたインテグラに対して 最後にささげられたものは・・・・・・。
総監督 と オーナーである のぶりんからの 熱い思いの シャンペンシャワー。
6年間の熱い歴史に感謝を込めて・・・・・。
ハイパーインテR 永遠なれ!