速く走るために

良く どうしたら 早く走れますか? と言った 質問を頂く事が有るので その辺に付いての お話をしましょう。

最終的には 人間のやる事ですから 全ては 人間 すなわち ドライバーとして走る貴方にかかってくる事なのですが 走りの ポイントは 3つある事を 覚えておいて下さい。この 3つのポイントを押さえておけば とにかく 速く走れる事に 少しは近づけます。
その 3つの ポイントとは・・・・・
1 コース
2 マシン
3 ドライバー

この 3つです。 こじ付け と 言われるかもしれませんが この3つを 理解して 克服する事が 速く走るための 重要なポイントになります。

まず コース
コースを 覚える事です。走っていて 次に どんなコーナーがあるのか? が 判るように コースの全てを 覚えて下さい。
良く 教習所では 曲がり角では 充分に減速してからハンドルを切り 車の向きが変わってから 加速する様にと教わったはずですが サーキットでは そうはいきません。
いや そうしても良いのですが それでは 速く走れません。
レース中に 工事している なんてことは 有り得ませんし 昨日と今日で コースが違うという事も有りません。
誰かが コーナーの向こうでスピンしていても 大体見れば判りますし コーナーポストから 旗で合図があります。
したがって 何も無ければ コースは いつもの通りである訳です。
ならば コーナーに差し掛かった時には コーナーの出口を目指して アクセルを全開にする事が 出来るでしょうし いえ そうしなくては速く走れないのです。
たまたま コーナーの手前で ブロックされてしまった時でも その先が判っていれば 強引に 自分のラインを変えてでも ブロックしている先行車をかわして 抜き去る事が可能ですが 前が分かっていないと 自分の目で コーナーを見てからでないと ハンドルが切れない訳で これでは レースが終わるまで ライバルを抜く事は 出来ません。
まずは コースを 覚えて下さい。
過去に 一回走った時の事を 思い出す イメージトレーニング。発売されている オンボードカメラの映像のビデオを見ての トレーニング。テレビゲームでも 結構 目的のサーキットのデーターが入った物が 売られていますから それらを使ってコースを覚えるというのも 得策です。(ただし 本物のサーキットで ゲーム同様の走りをして 一発で 突っ込んでしまった という 例も有りますから コースを完全に覚えたとしても これだけで 無理は 禁物です。
そうそう コースを覚える という事は 上から見た平面図で 覚えるのではなく あくまでも TVゲームや オンボードカメラのように 画面が 向こうから こっちに 迫ってくる 3D画像として 覚えて下さいね。 ただ 地図を覚える事は 誰でも出来ますが 走る時に ほとんど 役に立ちませんから。)

次に マシン
ここで言うマシンは マシンの性能もさる事ながら 貴方が マシンの限界性能を理解して コントロール出来るか?という事です。
良く キュルキュルとタイヤを鳴らして走っていたドライバーが「タイヤの限界だぜ!」等と 自慢している風景を見かけますが タイヤ語で言う キュルキュルは 日本語で言うところの 「よっしゃ これからが 本領発揮だぜ!」と言う意味である事が ほとんどです。
タイヤが 限界に達して 滑り始めると ほとんど無音か ズズズーっと言った音 叉は コォーッ と言った音になります。
しかし これも 「もうだめぇ!」と言った意味ではなく 「よし ここだ 注意して! よしよし そうだ!」と言った意味である事が 大半です。
当然 この状態は テールスライド 叉は 四輪ドリフトになっている事が多いので 下手にハンドルをこじったり 恐いからといって ブレーキをむやみやたらに踏んでしまっては 逆効果。
この 極限の 車体が遠心力で吹っ飛ぶか かろうじてコース上にとどまっているかの状態を いかに 保って 尚且つ コントロール出来るかが 問題です。
当然 ドライバーは 全身をセンサーにして 横Gを検出して 微妙な修正操作を行う訳です。
マシンの極限でのコントロールが 確実に行えるかどうか? これが 二つ目のポイントです。
(ちなみに ビギナーのレースで ヘアピンカーブなどで 思い切りハンドルを切った車が ギュブブブブ といった 派手な音を立てて あえぎながら 曲がっている光景を 見受けますが この ギュブブブブこそ 「おい もうだめだ なにやってんだ」という意味です。
無理矢理 ハンドルをこじって 曲がっている訳で タイヤの消費も多く スピードが乗らず 効率の悪い走り方です。)

そして 第三のポイントが ドライバー
ここでは その人が どうのこうの と 言う事ではなく どのような走り方をするか つまり コースを熟知して 車の限界性能を扱えるドライバーが いかにして 限界の走りを維持できる走り方を 組み立てられるか ということです。
まずは 一般的に 本や ビデオで 説明されている ベストライン レコードライン チャンピオンライン と称する この線に沿って走れば一番速く走れる と言う コース取りを 勉強する事から始まります。
そして 自分の車の性能 操車能力を加味して いかに自分のオリジナルの走りを組み立てて 実践するか と言う事です。
勿論 コース上に 自分だけしか居ない といった ラッキーな状況は なかなか有り得ない事なので ベストラインを基準としながらも 他の車のラインと併せて考えて 自分の 技術と 車の性能を 充分に理解した上で もっとも良いと思われる走り方 ラインをその場その場で常に考えながら 変化させて 組み立てていく必要が有ります。
当然 組み立てるだけではなく 考えられた通りに 操車が 実践されなくてはなりません。
自分一人だと速いのに 他の車が多くなると タイムのでない人 晴れの日はタイムが良いのに 雨が降って コースコンディションが悪くなると 突然タイムの落ちてしまう人は 瞬間的な応用力をもう少し 鍛える必要が有る と 言う事になります。
このように 人車 一体となって コースの上を走っていると 自然とベストなラインか見えてくるようになり タイムも 向上してきます。

良く コーナーは 入るまでに ベストなライン スピードを出すべきであって 途中で ちょこちょこ修正している様では 上手とは言えない などと言う まことしやかな 論理を展開する人が居ますが それは 間違いです。

自分一人で いつも 同じ事を繰り返すだけであれば それで かまいません。 しかし 他の車と 混走するとなると 条件は 毎回変わりますし 場合によっては 他車との接触を避けるために とにかく コース変更が余儀なくされるケースも 少なくありません。
そこで 自分のコースがどうだとか スピードが などと言う いい訳は 通用しません
とにかく 事故を未然に防ぐ。そして オーバースピードになってしまったのならば その 対策をする。 当然 自己記録を向上するためにも 毎回 少しずつの チャレンジが なされていくべき物であって 毎回 全く同じ状況が あろうはずがありません。
この 毎回が 新しい 未知の領域を いかに処理するかが 腕の見せ所となるわけです。