ドライビングレポート by うっちぃ〜


かむべより、
「ブレーキが既にダメみたいだけど、2位に17周の差があるのでどうやって
 も追いつかれることはないから確実に戻ってきて!」
と事前に命令を受け、チェッカーまであと1時間というときにオイカ1から最後の
バトンを受け取った。


事前に聞いていたとはいえ、ブレーキがかなり最悪の状態であった。
コースインして一番最初のブレーキングポイントとなるS字手前でブレーキ
を踏んだときに手ごたえ、いや足応えが全く無い!
こんなのでチェッカーまでの1時間を走り抜けるのか、と一抹の不安がよぎる。


次の1ヘアまでの下りストレートでアクセル全開中に、左足でブレーキペダル
を数回あおるとペダルの足応えは回復する。
フルードがベーパーロックしているが、圧が戻ればブレーキペダルを踏むと
ちゃんと制動がかかる。パッドは正常のようだ。
だが、ブレーキング時にハンドルがかなりとられる。
そういえば既に8時間経過しているが、タイヤ交換してなかったな・・・
このコースは右回りなので左タイヤがかなり偏磨耗しているのだろう。
また、コーナー立ち上がりでアクセル踏んでLSDがきくタイミングで
タイヤの偏磨耗のせいでハンドルがとられ、アクセルをベタ踏み出来無い・・・
エンジンの回転も重く感じる・・・


昨年10月もアンカーを受け持ったが、そのときよりクルマの状態が酷い。

数周ラップを重ねると、このクルマの状態にも慣れ徐々にタイムが上がって
いくが、ピットの甲斐より無線で
「ペース落として!」
便所コーナーではかむべがペースダウンのジェスチャーをしている。 


そうだった。
確実にチェッカーさえ振られればクラス優勝は間違いなしだった。
チームメンバーの思いを胸に、それ以降は軽自動車クラスのクルマに抜かされ
ようとも確実にゴールできるペースまで落とし耐え抜いた。
しかし反面、状態の悪いクルマをコントロールしなければならないといった
恐怖心から開放され、ゴールまでの時間を楽しむことが出来た。


淡々とラップを重ね、ホームストレートでは写真撮影用のパフォーマンスを
提供しつつ、気がついたらホームストレートのポストでチェッカーが振られて
いた。
あっけないチェッカーだった。


ピットに戻り、クルマから降りるとぬまっちが抱きついてきた。
誰よりも完走に喜んでいた。
続いて誰かが抱きついてきた。
そういえばクラス優勝だったなと思っても実感があまりない。
疲れた・・・
やはり耐久レース前日の残業は堪えるな・・・と的外れなことを考えていた。