2018年 8月4日
エビスサーキット
12時間耐久レース
 



Nクラス 優勝


8月3日 レース前日(金曜平日)

其の日も朝から暑かった
早朝から 仕事をサボれるふとどき者が12人 サーキットに集まった
(どうしても 仕事をサボれなかったまじめ社員は二人 仕事を終えてからやってくる)


「てへ」の配慮で ピットの壁には チームカラーのデコレーション!
ちょっと いつもと違った雰囲気 なんか 俺たち GT選手権のスタッフみたい! 闘志が厚く 盛り上がる

 これで いつでも順位が見れるぞ!

軽く準備を整えて 午後の練習走行に備える

 まずは昼飯! ぅぅぅ うめぇ〜!

さあぁ〜 パパと食べよう 昼ごはん !!   「りょう」とぱぱ

 飯だ メシメシ うひひひひ


練習走行

毎回お馴染みのドライバーから 9年ぶりのドライバーまで
久々のサーキットを走りながら 勘を取り戻していく

        
なかなか 感じ良いぢゃん!!!     

ライバルの S-2000と ピットは隣同士
お互いのLAPタイムを伺いながら 水面下での皮算用

今年は何のトラブルも無く 練習走行を終えた
なかなか いい感じ・・・・




明日に向けて 予選用のタイヤに履き替えて 今日は早々と宿に行って 温泉に浸かって・・・・・・・・・

・・・・・・が 勝利の女神の与えた試練なのか? ぁ いや 多分 エビスの悪魔が目を醒ました

「ぬま」がジャッキで前を上げた直後・・・・・それは 起こった

普通は こんな感じジャッキアップする

「やばいやばい! 変形してる! おろして! 早く早く!」
こんな
「おい」の声が ピットに響いた次の瞬間・・・・

ミシミシと言う音と共に
ジャッキを降ろしても居ないのに 落ちる車体・・・


 
一瞬にして 終わっちまった感満載の姿・・・・・ 

醜く変形する フロントビーム・・・・
持ち上がるラジエター
グギッと言う 悪魔の囁き・・・・


    


ブシュッ!
エクソシストのリーガンが吐き出した悪魔の胆汁のような 熱く煮えたぎる緑色の冷却水が飛び散る
熱いしぶきに おののく
「かむべ」監督

グギャ〜 ドシャン・・・ と言う断末魔の叫び・・・・・

並々と流れ出る冷却水  反比例して言葉が全く出ない・・・・

終わった・・・・ 誰もが 諦めた・・・・・  こりゃダメだ・・・・・




一瞬感じる ライバルチームの冷ややかな皮算用

目の前が 一瞬にして真っ白に・・・・・


   ラジエターが 逝ってしまった・・・

「とにかく ジャッキ 抜いて!」
この声が 皆の固まった体を溶かした・・・・・・

皆が動き始めた・・・・・・・

まず 逝っちまったラジエターをどうするか?

困った時の 神頼み  お世話になっているショップ『ガレージFK』さんに電話する・・・

「かい」
「ガレージFKさんの社長」とのやり取り

「社長〜 やっちゃいました〜」

     「どうしたの??」
「かくかく しかじか・・・・・」
     「う〜ん 番線できつく固定しちゃえば大丈夫よ! ウチらもそれでやってだいじょうぶだったから・・・!」
「それで もちますか〜?」
     「だぁ〜いぢょうぶ だいぢょうぶ もつから!!」

  (なぜだか説得力を感じる安心感 心が落ち着く・・・・)

「でも ラジエターが・・・・・」
     「あぁ〜 あるよ!  この間 はずした奴が・・・・」


力強いお言葉!!!!

キムタク主演のTVドラマ「HERO」で 皆が足しげく通うバーのマスターの決め台詞その物だ


ラジエター 有るんだ・・・・・(ラッキ〜!)

でも ここは福島 あっちは埼玉三郷・・・・・・・   ぁ・・・・・
仕事してる奴が居るんだった・・・・・・・


その後 福島を核とした数回の電話のやり取りで
仕事で居残りしていたメカニックスタッフ
「しゅう」が 三郷経由で ラジエターを持ってくる事になった・・・・・

現着予定時刻 2330時

それまでに 車体を完全復元! すれば良いんだ!!!!!(急に 楽観的)


とにかく バラす!    歪んだメンバーを 強制する!

皆で 寄ってたかって ハンマーで殴る 蹴る 上に載って潰す ジャッキの鋼鉄製のパイプでこじる





 上に載って 飛び跳ねる 踏みつぶす!


ハンマーで ぶっ叩く!    


  鉄パイプで こじる


蹴る   

まるで 童話の浦島太郎の冒頭 浜辺でいじめっ子に囲まれて リンチを受けている海亀のごとく・・・・ 




皆に 寄ってたかって虐められているインテグラ   完全 ボコられまくり と言ったところだろうか?


しかし 時の経過と共に 愛あるリンチに耐えながら インテグラのフレームは 元の形を取り戻して行った


なぜだか こんなときに出てくるドリルと 炭素鋼ボルトの入った小箱・・・・・

剥がれた熔接部分は 番線ではなくボルトでガッチリと再固定




(普段なら そんな物 ぜったにお荷物になるから!って もってこないだろ〜
 やはり 今年は 吹く風が違う!)


取り外された ひしゃげたバンパーは 
「ダイキ」
「僕 これ 治します!」と宣言!


      

熱く焼けたアスファルトを大自然アイロンとして利用
体重を活かしたフットプレスと 巧妙なアルミテープワークで 何事も無かったように復元!


約4時間の決死の手術の末 醜く変形した車体は 何事も無かったように 元通りに治っちゃった・・・・・・・

(やれば できるぢゃん!!! すごいな 俺たち・・・・!)

地元のホームセンターで 冷却液(緑)も購入!

後は 
「しゅう」の現着待ち



「今 那須高原〜」と 現在位置を報告して来る
「しゅう」に 「焦らず 安全運転で!」と 温かい言葉・・・・・

(実は 
「しゅう」の安全よりも ラジエターの方が大切だったりして・・・・・  これは 永遠に本人には秘密です
 ・・・・・ぁ HPに書いちゃったら ばればれぢゃん・・・・・・!!!)

その後 ピットを片付けながら 「飯を食おう!」 と言う事で 
「かむべ」「ばいお」が買い出し部隊として 市街地へ下る

・・・・が 地方の性 この時刻は もう やっているお店が少ない 24時間営業の7−11ですら 在庫がない!
必死の思いでさがしだした弁当屋さんで 暖かいお弁当をゲット〜

一同 片付いたピットで 夜食を捕る

この頃・・ もう一人の居残り部隊のレーサー担当
「うっち」は・・・・
精神衛生上 現着して治った車を見た後で「実は・・・」って報告する事にして
それまでは 極力精神的ストレスをかけないようにしよう と言う心温まる?配慮が なされ・・・
・・・・ ッてなことで この一件は全く知らされないまま・・・・・・ ぐっすり眠ってるんだろうな〜・・・・・
(こんな事知ったら 絶対 飛んでくるからな〜 レーサーは 心の余裕が第一!!!)

 
2330時 ラジエターと
「しゅう」 到着!

 これでOK ラジエターが到着した!

ラジエターを受け取り・・・・・
多分 晩飯を食わずにかっとんで来てくれているであろう
「しゅう」のために ちゃんと買っておいた弁当を渡す

「しゅう」・・・・・ 弁当をかっこんで 空腹を満たす
インテグラ・・・・・ ラジエターを組み込んで 冷却水を満たす


空冷ファンの動作も確認 OK!



一同 何も無かったように 宿へ・・・・・・  爆睡

 風呂に入って 速攻 お休みなさいの図

8月4日 レース当日・・・・・

そこには 何事もなかった様に すっきりとした顔立ちの インテグラが・・・・・  

「ぁ 治ってる・・・・・」 ライバルチームの 狐につままれた顔・・・・・  「そう 超能力です! ハンドパワーです!」

ちゃんと 車載ユニットも搭載 これで通信OK! 

何事も無かったように 予選が行われて グリッド整列〜本戦スタート!



昨日の騒ぎが嘘のように 何事も無い

スタートドライバーの「バイオ」は予定の90分に対して セーフティーカーのタイミングを鑑みて
2時間のロングドライブを成し遂げて 2番手の
「ベン」にバトンタッチ



「ベン」は 昨年の熱中症のリベンジで しっかり90分を走りきった



3番手「かい」40分走ったところでタイヤに異常な振動を感じてピットイン

 
ここまで使えばもったいなくない!

右前 タイヤのみを交換にて再スタート
その後 車輌火災の車輌が出て セーフティーカー導入となったので そのタイミングでピットイン


 「かい」の真横で炎を吐くライバルマシン
.                               ご丁寧に 指をさしている

4番手の「おい」へ バトンを繋いだ

うむ・・・ 今日の路面は かなり熱いぞ タイヤにとってきつい状態だな・・・・・マジ顔「マーサ」

この辺りから ライバルのS2000の様子がおかしくなる
何か 深刻なマシントラブルが発生したのか?

 
おねぇさんと一緒の記念写真

ドライバーは 5番手
「うっち」にバトンが渡った
が 車室内がやたらガソリン臭いと言う訴えに 確認のため ピットイン指示
しかし 車室内の燃料漏れの形跡はなく また 臭いも弱くなって来たことから
こぼれた燃料臭と判断 再びコースイン


         

万が一の出火に備えて 消火器を構える「しゅう」                                       .
.                                         力余って 要も無いのに 消火器噴射!
.                                  給油係の「バイオ」まっしろ〜

    

調子よく走るインテグラ

     



6番手「てへ」
この頃にはライバルは マシントラブルで 完全に戦闘力を失って居た

  
順位は画面を見ればすぐにわかる

しかし 一番若い
「てへ」は 手を緩めない!
本日のベストラップを記録! 「マシンを労われ!」「タイヤを酷使するな!」と
お決まりの 無線で叱られるパターン・・・・

    

気合いを入れた バトル

 
「てへ」 とばしてるなぁ〜・・・・

(それが快感なのか? 毎回なにか 叱られてるなぁ〜
 無線で叱られなかった事・・・・・ 無いなぁ〜)


 走行中 ピットのカメラを見つけて 余裕のカメラ目線!・・・「てへっ!」

この瞬間に カメラ目線は すごい! 

日が暮れて コースが闇に包まれる  

しかし なんだかんだいって 「てへ」の頑張りで 総合順位が2ランクUPした事は事実
やはり若いってい〜な〜・・・・・


         

食べれる人から ケータリングで夜食を捕る
「ぬま」はお試しで でっかい焼きそば

 オーライ オーライ もーチョイ前前・・・  




こぼれたガソリンは エアで一気に蒸発させる!


7番手
「ぬま」
この頃には 勝利はほぼ確定していた
そうなると 思い出されるのは 昨日のあの悲惨な状況
最後まで走れるのか? 土壇場になっての走行不能で
童話の「ウサギと亀」状態で ゴール直前にライバルに抜き返されないか?と言う心配が・・・・・

  


  

そこそこに速く マシンを壊さず とにかく走れ!
(やたら 判断に難しいチームオーダー)

             .


.         

そして 最終ドライバ
「よっし」
S2000との最終決戦バトルのために温存していた 最終秘密兵器!
だが 今回は フルアタック禁止! とにかく走らせて マシンをゴールまで運べ!
絶対壊すな!
なんとも 時の運任せのチームオーダーだ
〈過去にはゴール500M手前でエンジンブロー なんてのもやっているからなぁ〜)

・・・・・・・運命の 21時30分
打揚煙火 ゴールの合図!

    

続々とコントロールラインを通過するマシンの中に インテグラも有った
ドライバー側の窓を全快にして ガッツポーズの腕を天に掲げる
「よっし」



(危ないので よい子は 走行中の自動車の窓からは 手を出さないようにしましよう!)

10年ぶり 黄金の女神様が微笑み 我々の元に降臨されました!

おかえり おかえり〜 ハンドル切って〜〜 

   
降りて来たドライバーと 愛ある抱擁の時!?

表彰式・・・・・

  

酒は呑め無いけど 浴びるのは大好きな
「ぬま」
表彰台の 一番高い所で お望みどおりに脳天から
そして 襟首から背中に・・・・・ 発泡日本酒 ぶっ掛け〜〜〜〜〜〜〜! 



久々の 快っ感っ!!!!

(その数秒後 襟首から入った酒は お尻に達し なんとも懐かしい不快感に代わるのであった・・・・・)
き・・・・・ きっもっちわりぃ〜!







優勝・・・・


今回の参加台数は 総勢18台 昔に比べたらかなり少ない
内訳は レース用タイヤの使用が認められる 比較的改造範囲が広い Bクラス車輌が16台
レース用タイヤの使用が認められない 車検に通るレベル以上の改造が認められないNクラス車輌が2台
・・・そう その2台の中で 優勝したのだ
・・・・・というと たいした事無いように思われるかも知れ無い
しかし 順位表を見て欲しい 我々は総合7位
格上のBクラス車輌6台の次に我々がいる (言い換えれば 格上の車を10台 喰った格好・・・)
充分な 健闘結果だ!





しかも 前日に 絶対に無理だろ〜級の前代未聞の大トラブル発生!
でも それを治した!
絶対に 自信を持って 優勝と胸を張れる! 


(ライバルも マシントラブルをかばいながら 格上の車を3台喰っている・・・ Nクラス 大健闘だ!)

耐久レース・・・・・だから 面白い!